日本文化を加味したPREGARE Orarioの特徴-3.成果物構造・工数報告
フェーズ毎に変化する成果物構造をサポート
同コラムの2でも述べたように、日本の商習慣では、完全なるスコープの合意が形成されていないままに、プロジェクトがスタートする。
プロジェクトを進行させながら、ステークホルダーとの合意形成を平行的に実施し、プロジェクト中期もしくは、それよりも遅いフェーズにて合意を形成していく。
そのためアクティビティの変動のみならず、成果物構造自体がフェーズにより変化していくことを許容せざるを得ない。
一般的なプロジェクトマネジメントシステムでは、プロジェクトのライフサイクルを通して、成果物構造をひとつしか保有できないために、プロジェクト期間中に変動する成果物の変化を正しくトレースしていくことができない。
PREGARE Orarioの成果物構造変更機能
PREGARE Orarioは、フェーズ(この場合は毎月)毎にプロジェクトの成果物構造を変化させることができるように設計されている。
新しい月の成果物構造は、前月からコピーすることもできるし、他のプロジェクトやテンプレートからコピーしてくることもできる。
また、PREGARE Orarioの成果物構造は、工程's Orarioの成果物ビューと同期させることができるために、工程'sで作成した成果物階層や成果物進捗を自動的に取り込むこともできる。
成果物階層構造をフェーズ毎に変動させることができるようになっていることから、日本の商習慣下においても、正確に成果物進捗(出来高進捗)が計算できるのみならず、過去の成果物進捗(出来高進捗)の計算経緯に関するトレーサビリティが向上している。
指示されていないプロジェクトへ工数報告を実行可能
諸外国のプロジェクトマネジメントシステムは性悪説を前提に設計されている。
そのため作業指示が出ていない担当者が該当するプロジェクトへ工数を報告することは許されないような仕様の製品が多い。
一方、日本においては臨機応変に多能工である担当者が自分の担当しているプロジェクト以外のプロジェクトを支援するケースが多く見受けられる。
そこで、PREGARE Orarioでは、作業指示を受けていないプロジェクトに対しても、実績工数の報告を実施することができるように設計されている。
ただし、その担当者が当該プロジェクトへのアクセス権を保有しない場合はこの限りでない。