建設業、とうとう覚醒する!? Vol.02

 

お知らせ:前回言えなかったこと

前回の記事ではもったいぶっていた「エッジな製品」を発表できる段取りとなりました。

新製品Promio Orarioの製品開発マネジメントを担当しておりますマーケティング部の北邑です。

この製品はプロジェクトの管理者を超えて、すべての「従事者」みなさまに対して、ウェッブアイからの新たなるライフスタイルを提案するオープンプラットフォーム戦略がスタートします。
生まれたてのPromio Orario は皆様のご意見を真摯に聞き流しながら、一流に育て上げる覚悟です。
どうぞよろしくご支援お願いいたします。

逐次HP上で情報公開をしていきますが、お声掛けいただいた皆様にはマル秘の裏話を進呈します。

建設業の覚醒:その1.デキる技術者の変貌

建設業の話に戻ります。

人と人をうまくつないで仕事につなげること、業種を問わず大切なことは言うまでもありません。

建設業は管理のミスや手違いがかなり大きなダメージとなるところ、比較的特殊かもしれません。

これは一品受注生産品であることと同時に、成果物(つまり建物・構造物)に対する検査が限定的であることと、手戻りが許されない仕組みの中で実行されることも大いにあり得ると考えます。

例を言えば、三菱航空機のMRJは度重なる納期遅延を起こしながらも、試行錯誤で品質を上げていること、手戻りは望まれないが、必要な手戻りならば歯を食いしばって実行し、皆で耐え抜く環境があります。

必ず発生する「予想外」

建設業はスーパーゼネコンで行うチャレンジングな工構法を採用する例は除き、当たり前の工期で当たり前の工法で実施すれば、設計通りの成果物ができるはずの世界です。

もちろん、そんなはずもなく当たり前は、予想通り外れます。

例)

  • 設備配管は宙を舞い構造体を突き抜けることなど
  • ドア枠やシャッターが柱や梁を削る
  • 施工できない(型枠がはずれない入隅・空中足場からの施工等)
  • 怖い近隣(聞いてないよ)

こんなことから交渉力と説得力のある人材が求められています。上層部はよりカネと融通による交渉、担当者は人間性と交渉力による泣きつき。

過去はこんなことがうまく作業所の安定を作り上げる重要な要素であったわけです。

ただし、これにも限度があり、正確な情報をより早く伝えて、協力会社の損失を最大限に抑える能力が必要であり、そこに信頼関係が生まれていきました。

当然ながら、全職種に公平かつ正確な計画が求められましたが、結局は週間工程と前日手配で乗り切れた場面は多かったと記憶しています。

協力会社も変化している

近年は作業者(協力会社)が一様にサラリーマン化していると言う意見が多いことが驚きです。

前日手配などは耳も貸さずに、緻密に計画された工程にしたがって、正しく手配し行動してくれるというのです。逆に言えば、できてない場合は泣きつくしか無いと。

もちろん、これはウェッブアイの立場としても同じ感覚を持ち、工程の管理は進捗曲線を引くだけのお絵かき仕事ではなく、それぞれの仕事を正しくこなすための調整図を求められていること、明確にわかります。

週間工程のみならず、月間工程、年間工程、全体工程、五カ年計画に至るまで、協力会社との信頼関係の情勢と綿密な調整が必須となりました。

このような背景から工程’s Orarioのような資源負荷調整を重視する道具が必要とされる現状が理解できます。

 

「建設業の覚醒」の第一歩です。ここにたどり着くストーリーも多数、ここからの脱却に心血を注ぐ例も多数、そして小職の考える「建設業の覚醒」についてお話したいと思います。

この記事のキーワード:
プロジェクト管理
工程モバイルソリューション「Promio Orario」
工程管理
建設業・土木
戦略立案・改革支援
執筆者プロフィール
北邑 靖晃
マーケティング部 マネージャー Promio Orarioマーケティング担当

1971年東京都生まれ。工学修士。早稲田大学大学院理工学研究科 建設工学専攻 材料及び施工分野 修士課程修了。修士論文は「遺伝的アルゴリズムによる建設工事の工程計画の最適化」に関する研究。元PM学会評議員。
1996年より大成建設株式会社建築部にて主に大規模プロジェクトの計画・積算・施工管理の実務を徹底的に経験。
2002年、国内建設系ITベンチャー企業において、原価積算から日常業務までを統合したEVMSパッケージを企画・開発。
2003年より外資系プロジェクトマネジメント企業であるアルテミスインターナショナルの日本法人に移籍、ハイテクおよびオートモーティブ分野でのR&Dプロセスに関するコンサルティング提案に従事。
2009年より東京工業大学原子炉工学研究所との産学連携のエネルギー系ベンチャー企業に参画。国内外の大手ハイテクメーカーや米国海軍技術研究所(NRL)との産官学共同研究プロジェクトの提案、スキーム調整、計画、マネジメントを統括。

業種経験は多岐にわたるものの、建設プロジェクトの計画から日常業務については、学問と実務の両面から深く携わっており、最も得意な分野としております。