工程’s Orarioの利用により工程管理手法を統一し精度の向上と施工品質の向上を実現

大成建設株式会社様は、1873年(明治6年)創業の建設業界大手5社の一角を占めるリーディングカンパニーであり、「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念のもと、数多くのランドマーク的建造物を手掛ける大手総合建設会社です。

ご検討の背景

大成建設様は独立採算型で工事を遂行されている為、当時は会社全体として統一した工程管理ツールが無く、現場毎に様々なソフトで工程管理を実施されていました。しかし、2000年代初頭の業務のIT化が広がる中で、『施工品質の向上』という全社を挙げた大きな取り組みの一環として工程管理手法の統一と品質向上の実現を希望されておりました。

そして、2003年から各建設現場における工程管理の統一ツール として、また品質の向上を目的として、工程’s Orarioの一斉導入を建築部門から開始し、2008年からは、土木部門においても導入を開始しています。

主な課題概要

各現場が独立採算型で工事を遂行しており、現場毎に様々なソフトによる工程管理を実施していたため、当時は会社全体としての統一した工程管理ツールの運用がなく、いくつもの課題がありました。

  • 熟練社員は、独自のソフトを使用し、これまでの経験を背景に工程計画業務などで手順を省略できるため、若手社員は資料を再利用できないことがある
  • 工程表の精度は、個人のスキルに依存している
  • 独立採算のため、プロジェクト間の情報共有が希薄である
  • 表計算ソフトによる工程表では、変更が容易にできない

ウェッブアイからのご提案・実施内容概要

ツールの共通化による工程表の精度の向上と情報共有

工程表作成ツールを統一することで、計画の再利用を可能にし、ベテラン社員のノウハウを生かした工程表を共有することで全体の工程計画の精度を上げることができました。また、ツールの統一は、異動によるローカルルールの再学習を不要にしました。工程’s Orarioでは表計算ソフトでは実現できない容易な操作での工程表作成・修正が行える点や、多面的な工程参照機能(ビュー機能)により、異なる形式の工程表レポートも一つの工程表に集約できるようになり、日々の工程表メンテナンスも非常に楽に行えるようになりました。

定着の為の教育カリキュラム、ヘルプデスクの導入

ツールの導入だけでは定着率が上がらないことが予想されましたので、導入開始時よりヘルプデスクを設立し、各部署の技術支援や教育を実施しました。

全国各地の拠点での講習会の実施、新入社員の導入教育や若手社員の研修の中に、CPM,WBSの話から工程’s Orario実習、操作演習、サンプル工事での実例などのカリキュラムを取り入れることで、個人のスキルに頼りがちな工程表の精度の向上を図りました。ヘルプデスクでは、電話やE-mailでのサポートのほか、様々なプロジェクトのサンプルや専用マニュアルなどサポートの為の情報公開を行い、ツールの定着を図りました。

プロジェクトの成果

管理可能なタイムスパンと精度が、大幅に拡大!

工程’s Orario導入により飛躍的に工程表の詳細度が上がり、それに伴い管理精度も向上しました。

  • 若年社員のスキルによっては、工程計画の精度が低いことがあったものの、1週間  程度の予定までしか見通せなかった担当者でも、数週間から数ヶ月先まで見通せるようになりました。
  • 多面的な工程参照機能(ビュー機能)により、異なる形式の工程表レポートが一つの工程表に集約できる様になりました。
  • 日々の工程表メンテナンスが、非常に楽になりました。
  • ツールの共通化により、異動によるローカルルールの再学習が不要になりました。

定着率アップの決定打!

工程表作成ツールを提供するだけでは、定着率が上がらないことは導入当初から予測できたため、導入開始時から社内にヘルプデ スクを設立をし、各部署の技術的支援や教育の実施しました。

  • 全国各地の拠点で、講習会を実施
  • 新入社員の導入教育に、プロジェクトマネジメントを含めた工程’s Orarioの教育カリキュラムを導入
  • 毎年開催される手社員研修にも、工程’s Orario実習カリキュラムを導入
  • 社内に、常設の電話/E-mailによるヘルプデスクを設置(導入当初はウェッブアイからも人材を派遣)
  • ヘルプデスクの社内HPで、様々なプロジェクトサンプルや専用マニュアルなどのサポートのための情報を公開
  • 講習会では、CPM,WBSの話から始まり、工程’s Orarioの実習,操作演習,サンプル工事での実例などを実施

上記支援を実施した結果、現在では建築部門の中規模以上のプロジェクトは、70%以上の利用率に至っています。特に首都圏 近郊の中規模以上のプロジェクトにおいては、ほぼ工程’s Orarioが利用されています。

目指せ、判りやすい工程表

工程’s Orarioの以下の機能を用いて、現場工事の進行イメージをそのままWBS化して、工程表を作成。

  • グループ(建物立面WBS構成化、時系列要素と併用)
  • 複数プロジェクトの取込(サブプロジェクト工程表の統合)
  • ビュー選択(階別、工種別、工区別のビューを作成)
  • バーレイアウト変更(各ビュー毎に表示設定)
  • カレンダー(旗日,稼働日,雨天日,養生日数の表現)
  • 日程計算(コンストレイントを結んで日程計算実施)
  • 工程図出力

(BarChart Factoryにて、帳票出力,emf出力でOffice製品に貼付)

現場に貯まるノウハウは、社内共有サーバー上で公開

現場で作成した工程表の内、再利用可能な工程表については、顧客情報の保護措置を実施のうえ、社内で共有し、新規プロジェクトの工程表作成時の参考として活用しています。

  • 各現場の担当者が詳細な工程表(大規模工事の場合にはサブプロジェクト毎に作成)を作成します
  • 支援チームが参考になりそうな工程表を選抜し、工程ファイルを共有サーバーに公開します
  • 各現場の担当者は共有サーバーの工程表を参考にして新規工事の工程表を作成します

数値化された工程情報を活用して生産性向上を目指す

現在、工程’s Orarioを利用した工程管理は十分浸透しており、また成果も出ていると実感していただいています。大成建設様では、次の段階として、すでに社内の一部で始められている工程’s Orarioの様々な工程情報を数値データとして定量的な管理に利用することで、更なる業務の効率化や生産性の向上を目指しています。

ご提供したソリューションサービス

工程表作成ツール「工程's Orario」

未だに、多くの人が表計算ソフトを使用して工程計画を管理されています。工程計画はプロジェクト管理を行う以前に企業の業務を行う上で最も重要な業務であるにもかかわらず、いまだに作成手順や管理手法が属人的になってしまっているのです。

「工程's Orario」は、従来からの工程設計者の試行を妨げることなく、多角的な視点から最善の工程設計を行うことを可能にするWindowsアプリケーションです。企業内の計画情報のシステム化を促進し、プロジェクト計画のレビューや共有・再利用を可能にすることができます。

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教育・製品トレーニング

プロジェクトの成功は「基本」に基づいた活動、自らで「行動」することが大事です。ウェッブアイは、一流のプロジェクト・マネージャーの育成/次世代のリーダー育成を目的にした、基本から応用までを体系的に習得できるPM研修サービスを提供している他、ご購入いただいたツール・ソフトウェアを使いこなすためのトレーニングサービスを提供しています。

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