ご検討の背景
お客様は大手飲料メーカーの製造部門です。需要予測データの精度が低いため、需要を読み違えて生産過剰となり、売れ残り損失・過剰在庫が問題視されていました。また、需要予測データの算出作業が各担当任せとなっており、精度の個人差も大きな問題になっていました。
ウェッブアイからのご提案・実施内容概要
計画最適化エンジンライブラリの開発
ウェッブアイでは、季節変動等を加味した需要予測に基づき生産量を決定し(需要予測システム)、貯蔵タンクなどの生産設備の稼動状況をふまえて生産計画を作成する仕組み(計画最適化エンジンライブラリ)を開発いたしました。
計画最適化エンジンライブラリの詳細
本ライブラリは、生産計画を自動で作成する自動スケジューラや、生産計画を特定の条件に基づきシミュレーションする自動シミュレータ等を開発する際に利用する、弊社が独自に開発したクラスライブラリで、大日程計画から日々の日程計画、納期回答までをシミュレートすることができます。
自動スケジューラとは、受注情報や重要情報を製造単位に分解した後、人や機械、設備の負荷を平準化し、その他の制約条件に基づき最適な生産計画を自動で策定するシステムです。策定された日程計画は、工程表作成ツール「工程's Orario」により人が自由に編集、更新することも可能です。
本ライブラリを利用することにより、お客様のニーズに合わせて必要な機能だけを提供することができるので、一般的な汎用パッケージスケジューラより少ない投資でより大きな効果をお客様に提供することが可能になります。また、高度に最適化されたユーティリティ設計により、より複雑なスケジューリングアルゴリズムの効率的かつ再利用性の高い実装を実現します。
1.Schedule管理クラス群
資源量、生産量の時系列変化を管理します。
①計画データ格納クラス
ユーザーの要求出荷計画とスケジューリング後の最適製造計画のデータの両方を格納するクラスです。
②計画データ累積量計算クラス
計画データ格納クラスから日単位、週単位での累積量を算出し、格納するクラスです。
将来のある時点の在庫量を求めるために、現在の在庫から将来までの出荷計画の累積量および生産量の累積を算出するために利用されます。
ある時点の在庫計画 = 現在の在庫量 + ある時点迄の生産計画の累積- ある時点迄の消費計画の累積量
2.Scheduler用制約データ管理クラス群
①日付キー付き管理クラス
各生産設備ごとの日付に依存する生産能力、制限等のデータを格納し、スケジューリング時に利用できるように、日付データをキーとして検索、参照、編集ができるクラスです。各生産設備の稼動日非稼動日のデータもここで格納し扱うことができ、時間に依存するあらゆるユーザー制約条件を効率的かつ的確に定義することができます。
②日付キーなし管理クラス
各生産設備ごとの時間に依存しない生産能力や制限等のデータを格納するクラスです。
例えば、商品構成や商品と半製品の関係、半製品と原材料の関係などを扱います。検索、参照、編集時のキーとしては、各々のデータを利用することができるため、時間以外の要因をもつあらゆる制約条件を柔軟に取り扱うことができます。
3.Dateユーティリティ群(カレンダークラス)
※ 上記2-①にある稼働日非稼働日の計算のためのクラスとは別のクラスです
①日数曜日計算クラス
指定日から指定日までの日数計算を行います。指定日の曜日を計算します。指定日を含む旬/月の初日/末日を算出することができます。
4.ユーティリティクラス群
①例外処理クラス
処理異常を検出し、対応するためのクラスです。例えば、欠品の発生/タンクのオーバーフローといった計画作成時の異常と、DBアクセス失敗/ディスク不足といったシステムの内部的な異常の両方を扱い、これらの異常を上位アプリケーションに対して通知することができます。システム内で異常ログを検出したり、異常データを取捨するといった処理を確実にし、アプリケーションの品質、シミュレーションの品質を高いレベルで保持することが可能になります。
②データベース管理クラス
データベースからデータをメモリ上に展開したり、メモリからデータベースに書き込んだりするためのクラスです。
③ログ出力クラス
スケジューリング動作の途中経過および、異常等をログファイルに出力するためのクラスです。スケジューリングアルゴリズムの動作をモニタリングして、性能を含めた評価を行う為に使用します。
ご提供したソリューション・サービス
受託開発・既存システムとの連携カスタマイズ
お客様ごとの要求事項を抽出・整理し、仕様を確認・調整した上で、個別の計画管理システムを開発することができます。ウェッブアイ製品導入を前提とした開発やカスタマイズから、顧客仕様の専用アプリケーション開発まで各種開発への対応が可能です。